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① ブレーキをかけない歩き方

ブレーキのかけない歩き方

日頃どういった歩き方ができると故障が起きにくいかを考えます。

足には優れた機能があり、体重がかかる場所でストップしやすかったり、加速しやすかったりする場所があります。

母指球がブレーキ、踵(かかと)がアクセルと言われていて、小指球もアクセルと言われる場合があります。

歩いている時はできることならブレーキをかけずに前に進む方がラクです。

仮に一歩ごとにブレーキがかかり、その都度また力を込めてスタートしてブレーキがかかるといった歩き方ではしんどいし故障の原因になりますが、実際はほとんどの人がブレーキをかけて一生懸命歩いています。

故障が起きない、慢性的な症状で悩まないためにブレーキのかけない歩き方を知る必要があります。

3つのロッカー機能

ブレーキをかけないということは進み続けるということです。

足には骨の形が丸くなっていて、そこが転がる(ロッカー)ように機能する場所が3つあります。

ブレーキをかけない歩き方ができている時はこのロッカー機能がうまく使えています。

・ヒールロッカー(かかと)
・アンクルロッカー(足首)
・フォアフットロッカー(母指球)

この3つのロッカー機能のうち最後の母指球の丸い部分のフォアフットロッカーが機能して転がっているかがポイントです。

本来、母指球の役割はブレーキです。

ただ単に体重が乗るとブレーキがかかりますが、母指球の前に小指球に体重が乗ったとき、歩行中の母指球は転がるロッカー機能が発揮されます。

歩行で一番のポイントは小指球に体重が乗って母指球が転がるように働いているかになります。

小指球とは小指の付け根です。

小指球に体重が乗るため必要なこと

小指球に体重が乗るのにもいくつか条件があります。

1.立っている時に小指球に体重が乗っている
2.踵に体重が乗る
3.2軸歩行である

1.立っている時に小指球に体重が乗っている

これは「立つを深掘りする」を参照ください。

「立つ」を深掘りする

立っている時に両方の母指球に同時に体重が乗る立ち方から歩き出すと、歩行中踵(かかと)で着地後すぐに母指球に体重がかかり、母指球本来の機能であるブレーキが働きます。

そうならないために、立っている時の体重のかかり方がまずは重要です。

2.踵に体重が乗る

小指球は踵(かかと)の骨とつながっています。

歩行時にしっかりと踵に体重が乗ることが小指球に体重が乗ることにつながります。

踵に体重が乗らない・乗りにくい歩き方はすり足(ペタペタ歩き)になります。

足裏全体で着地するような歩き方は踵にしっかりと体重が乗らないので、小指球につながりにくくなります。

3.2軸歩行である

歩き方には足と足の間隔(歩隔)によって2通りの歩き方があります。

1本の線の上を歩こうとする「中心軸歩行」と2本の線の上を歩こうとする「2軸歩行」。

中心軸歩行は体の中心に重心が寄りやすいので母指球に体重がかかりやすくなります。

中心軸歩行で歩くと踵(かかと)で着地した後母指球に体重がかかりやすくなります。

それに対して2軸歩行は足と足の間隔があり(こぶし1つ分くらい)、2本の線の上を歩くような歩き方になります。

2軸歩行の方が踵で着地してから小指球に体重が乗りやすくなります。

その後母指球に体重がかかるのですが、この時母指球はブレーキでなく転がる働きをします(フォアフットロッカー)。

母指球がブレーキになったときのリスク

小指球に体重が乗らない歩き方は2通りあります。

① すり足の歩行
② 地面を蹴る歩行

①すり足(タペタ歩き)は、しっかりと足裏全体で着地をするような歩き方です。

母指球が転がるような働き(フォアフットロッカー)がないことでブレーキになっています。

この歩き方は歩幅が短く猫背っぽくなり、扁平足の原因にもなります。

外反母趾・扁平足・足底腱膜炎

②地面を蹴る動作は膝の捻じれを引き起こします。

膝が前を向いているのにつま先外を向くように膝が捻じれます。

母指球が本来の働きであるブレーキになってしまった時、そこで一度減速するのでまた加速させようとしたときに地面を蹴る動作が加わります。

その蹴る動作が膝の捻じれを生みます。

歩行時小指球に体重が乗り、母指球の転がる機能(フォアフットロッカー)が働くと、地面を蹴る必要がないので膝が捻じれません。

走っている時も同じです。

蹴る動作が入るとつま先が外を向きます。

膝の捻じれは膝の障害だけでなく、腰痛や首の張り・凝りなどの原因にもなりますので予防が大事になります。

首や肩の張り・凝り
腰痛
膝痛

階段での着地は小指球で!

膝を曲げて足を前に垂らした時、足先の親指より小指が下になります。

前に出した時の足先

階段では踵(かかと)で着地しないので、前足部着地になるのですが、母指球と小指球どちらが先に地面に着くか考えた時小指球になります。

立っている時に小指球に体重が乗らない人は、階段では母指球で着地していることが多いです。

「立つ」を深掘りする

階段で膝が痛む人は足裏のどこで着地しているかチェックしてみましょう!